寝室の木材量と睡眠の関係

皆様、「山林」という雑誌をご存知でしょうか?ほとんどご存知の方はいらっしゃらないと思います。というのも、発行しているのは、大日本山林会と言う、超絶固いお名前の所の機関です。言うなれば林業団体なんですね。

それがまたですね、創刊が明治15年1882年という、私が生まれる100年前に第一号が発行された、とっても歴史のある組織であり機関紙なんです。

前回は、AEAJというものすごく日本の中ではメジャーな日本最大のアロマセラピー関連機関り日本アロマ環境協会」の機関紙についてご紹介したんですけれども、「山林」はめちゃめちゃ渋いです。

今回はその2020年11月号を読んでみました。「山林」を読んでいるアロマセラピストはほぼいないですね…と林業関係者2名から言われているので、私はアロマセラピスト会の変態決定ですね(笑)

ただ、和精油を扱うにあたって、林業とは切っても切れないご縁がありますので、森林のことを勉強しないとなかなかわからないこともたくさんあるんです。和精油を扱っている方だったら、もしかしたらお仲間がいるかもしれないなぁと思っておりますので、もし山林を読んでいらっしゃったらコメントくださいお待ちしております。

その「山林」の2020年11月号なんですが、巻頭記事でかなり大切な内容の記事が掲載されていました。「木材・森林空間の健康分野での活用促進に向けて〜寝室の木材使用料と不眠症との関連〜」という、森田るみさんの記事なんですが、これが今の時代にとても有意義な研究結果が掲載しれていました。

ちょうど日本の人工林が今、伐期を迎えています。人工林というのは植林された林や森のことです。森林は人の手で管理をしないと良い森林にはなりません。植林されたスギやヒノキを間伐することによって日当たりを良くしたり、栄養が行き渡るようにしたりして生態系を守っているわけです。その伐期に入った間伐材の利用促進をする上で、どのように使っていくのか、使ってもらえるのか、といったことが問題になっているわけですね。

その利用促進を行う上で、いきなり木材を使いましょうと言われても、いま家を建てようとしている人とか、1枚板のテーブルを買いたと思っている人ぐらいじゃないですかね…「木材」観点で利用しようと思っている人は…まぁなかなかいないですよね。そこで、「健康」と言うキーワードが出てくるわけです。「健康」であれば朝食べるヨーグルトから飲む水まで皆さんはひがな1日考えていることなので、「自分ごと化」しやすいんですね。

ただ「健康に良い」という方向性で木材利用を促進しようとすると、必ずエビデンス(証拠・論証)が必要になってきます。消費者のほうももちろんエビデンスがある方が購買意欲が沸きます。しかし、エビデンスを出すのはかなり大変で難しいことです。

木材だけではなく、森林自体を切って売り出すわけではなくて、そこに生えている森林の活用に関しても、「健康」「観光」「教育」(木育なども呼ばれています)で、活用を目指していて、「森林サービス産業」と呼ばれ林業の中でもカテゴライズされています。ただ、林野庁が打ち出した予算の内訳を見ると、この森林サービス産業に割かれた予算が、たった1億しかないわけですね。グランピングや、BMX等の大会をやるにしても、山を整備するには個人の負担が大きくなってくると思います。

そういった意味でもやはり医学的なエビデンスが重要視されていて、令和元年度の森林林業白書にも言及されていて「森林空間及び木材の利用を進める際には、人間の健康及び活動に及ぼす効果を定量的に示すことが有利になることがある。これに関しては、森林レクリエーションや住空間における木質材料の利用が生理・心理的に及ぼす効果について研究が進められており、今後さらに研究に関する効果を明確にするための研究が期待される。」と書かれています。そりゃそうですよね。ただ、やはり国が動く時はスピードがかなり遅くなるというデメリットが発生するんですよね。

この記事を書かれた森田さんたちのグループは、様々な機関と共同グループを作って20年位研究されているそうなんですけれども、今回は、働く人の睡眠に関する研究を実施し「寝室に木材が多いと不眠症になるリスクが少ない」と言う研究結果を導き出しました。

その記事の中でも書かれている事ですが、病気に対するアプローチは大きく3つの段階に分けられ「予防」→「治療」→「リハビリテーション」の3段階となります。今回の研究はその中でも最も今重要視されている「予防」の段階に関するものです。

また、病気の予防に重要なものは何かと言うと「健康づくりの三要素」と呼ばれている「栄養」「運動」「休養」の3つなんですが、今回の研究は「休養」の中でも重要な睡眠に関する研究がテーマとなっております。昔は寝なくても死なないとか言われていましたが、睡眠が与える生活への影響は多大なものであり、産後にCIAの拷問レベルの睡眠不足を経験した私は身を持ってそれを体験し、人間は睡眠不足になると効率が格段に落ち、認知症のように記憶力が無くなり、言語も忘れてしまい、うつ状態に陥るのかと驚いた経緯があります。本当に怖かったです。

しかし、日本の平均睡眠時間は世界の中でも本当に短く、OECDの中でも最下位であり、日本人の生活スタイルは睡眠を重要視してこなかったと言う歴史があります。しかも、現在は日本人の成人の約2割に不眠の症状が現れていると言うデータが出ています。少し前に私が聞いたデータでは約1割と出ていたので少しの間に2倍に増えてしまったようですね。なんとも恐ろしい話です。もちろん、不眠症に関しては原因は様々なことが考えられ、複合的に絡み合っている可能性が高いのですが…

これだけ多くの方が不眠の症状を訴えているので、様々な産業の中で不眠対策の商品開発が進んでいます。例えばサプリメントや寝具などですね。そして、情報型の今の時代ではテレビでもYouTubeでも「睡眠の大切さ」に関するトピックが取り上げられ、例えば寝酒をしないとかお風呂に入るタイミングだとか、ブルーライトの弊害などが、人々の耳に入っているはずです。

木材と睡眠の関係をここで言及しますと、木材を見たり触ったり香りをかぐことによって心拍数を抑え血圧を低くし副交感神経を優位にすることが判明しています。つまり、副交感神経優位という事は体が「休養」モードに入っていることを示しています。ですので睡眠に関しても何らかの効果があるであろうと予想されるのですが本格的に研究を行ったのはこの森田さん達が初めてではないかと言われています。

https://stand.fm/episodes/5ff329d4be0d5d16c2a174ff

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